Core i7 と CUDA と クリエイター と 5D MarkII
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欧米に大変な金融恐慌が来て
嫌だなと思っていたが
テクノロジーを見れば
今は素晴らしい季節だと思う
というか思った
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Core i7 の素晴らしさはブログでも書いてきたけれど
Canon 5D MarkII の 動画には心底驚いてしまった
下のURLから「紅の舞い」というムービーを是非見て欲しい
http://cweb.canon.jp/camera/5dmark2/index.html
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去年の inter BEE で スターウォーズなどで使われている
ソニーの数千万もする映画用デジタルカメラの画像に驚いたが
5D MarkIIはそれを凌ぐ部分さえ感じる
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デジタルカメラとフィルムカメラの一番の違いは
受像部分のサイズから来るボケ味にあると思うが
35mm映画のサイズは実はAPSサイズ
つまり一般のレンズ交換式デジタル一眼とほぼ同じで
5D MarkII はフルサイズつまりライカ版だが
35mm映画がフィルムを縦に回しているのに対し
ライカ版は同じフィルムを横に回すことにより
2倍の受像面積を得ている
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簡単に言えばフルサイズデジカメのムービーは
70mm映画と同じサイズで撮影されるのだ!!
放送局のハイビジョンカメラでも
2/3インチと16mmフィルム以下で
家庭用だと1/6インチなんていう信じられない小ささで
ボケ味とは無縁の平べったい絵になる
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Nikon D90が初めて動画機能を持って登場したときも
直ぐに飛びついて見たが結局あまり使わなかった
しかし今週5DMarkIIが届いてその画像を見たときは
想像を超える、次元の違う美しい絵に鳥肌が立った
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それは静止画・動画を問わず次元の違う美しさで
写真という物の形を変えるに十分な
カメラマンのあらゆる感性を記録できる
とんでもなく画期的な物だ
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しかしRAWデータは1枚25MByteもあり
ブラケッティングで撮れば1カット75MByteもある
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動画はH.264で保存されるのでサイズは小さいが
Core i7を持ってしてもリアルタイムの編集は難しい
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そこにCUDAが勢いを持って普及を始めた
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もうすぐ発売されるAdobe CS4では全面的にCUDAがサポートされ
レタッチからハイビジョンの編集やエフェクトまで
恐ろしく速くなる
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国産の動画編集ソフトであるEDIUSは
プレステ3のCELLを使用したSpursEngneに対応する
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つまりここに来て2K CINEMAを個人でも作れる環境が整ってきた
カメラとソフトとPCを合わせても100万円もしない
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しかし、しかしである
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パーツを足し算して100万円にならなくても
そんなPCは販売されていないのだ
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理由はたくさんあるが
大手メーカーがやるにはマーケットが小さい
それ以前に日本のPCメーカーは殆ど撤退してしまっている
いま生き残っているのはDELLやHPといった
全世界レベルで膨大な量のPCを販売できる企業だけだ
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一方ショップパソコンは
例えばビデオPC専門のお店はあっても
写真や音楽に関してのノウハウはとても希薄だ
ゲーム用のPCを作れても
映像や音楽は難しい
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映像には様々なコーディックがあったり
今でも使われているテープとの関係の成立をクリアするのも難しい
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音楽に至っては恐ろしいほどのオーディオ・フィジカルインターフェイスがあり
その100倍ぐらいのプラグインがあって、とてもじゃないが
何十年も専門にやっている人でも全体を把握することは不可能だ
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JUNSがそんな写真から映像・音楽までよく知っているわけではないが
50年近く生きているうちに映画も作ったし写真も撮った
サンレコは創刊号から買っている多重録音マニアでもあるし
恥ずかしい過去にはバンドを組んでいた頃もある
サブカルの雑誌を10年ほどやらせて頂いたおかげで
様々なクリエイターの方の仕事を見せて頂いた
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オヤジの昔自慢は過ぎると人を不快にさせるが
僕は自分の作ったマシンを才能ある作家が使い
時代を変える様な作品が生まれる
そのことを本当に夢見ていて
時は不況と重なってしまったが
今は正にそれが可能な環境が整ってきたと思っている
というか事実全て今年で出そろった
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このチャンスは全ての人に平等なので
色んな人が夢のPC作りに挑むと思うが
僕は僕なりに作っていこうと思う
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t.kimuraさんとのご縁から生まれたDAW用PC Venusでは
本当に良い勉強をさせて頂いたし
Venusはとても多くの方に使われている
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実は映画に関しても
素晴らしい出会いの中に今いるのです
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そしていま、CUDAとか色々格闘中です
CUDAが本格的に動き出してまだ数ヶ月ですから
ちゃんとその力を評価することさえ難しい
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しかし今後の流れはCPU+GPGPUに決まっているし
この向こうには個人用スーパーコンピュータまで待っている
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そしてAdobe CS4はクリエイティブに大きなインパクトを与えるでしょうし
5D MarkII で今までには不可能だった作品を撮るクリエイターが出てくる
その人たちに向けたマシンだけは用意しておきたいと思いJUNS Proを立ち上げました
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マシンやテクノロジーについて詳細は追ってブログに記していきます
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長くなってしまいましたが先ずは
このブログをJUNS Proの出動宣言と思って書きました
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山中潤