JUNS Blog

JUNS株式会社の公式ブログです。主に開発・新製品や企業活動についてのあれこれ。

「シャイニング」から考えるネット時代の映像アスペクト比

f:id:SuperPC_JUNS:20170628111744j:plain

ここの訳は私の記憶では「おこんばんわ!」だったような気がするのですが、なんだか夏バテのせいなのかまったく食欲がなく、家に帰りたくないのでだらだらブログを書いております。おこんばんわ。

先日、長嶋有の『観なかった映画』という本を読んでいたところ、スタンリー・キューブリックの「シャイニング」を、著者の長嶋さんが若かりし頃VHSの4:3で観て、それは今のDVDやBlu-rayの16:9より恐ろしいものではなかっただろうかというくだりがあり、気になりすぎたので調べてみました。

映像アスペクト比の詳細はこちらを

gigazine.net


実際に「シャイニング」を見直してみると

16:9

f:id:SuperPC_JUNS:20170628111731j:plain

4:3

f:id:SuperPC_JUNS:20170628111744j:plain

16:9

f:id:SuperPC_JUNS:20170628111752j:plain

4:3

f:id:SuperPC_JUNS:20170628111806j:plain

16:9

f:id:SuperPC_JUNS:20170628112116j:plain

4:3

f:id:SuperPC_JUNS:20170628112128j:plain

主観も入りますが、確かに4:3の方が怖さが増すような気がします。
なぜ怖さが増すのか考えてみると、見えるものが少なくなる分、見えないものを見ようとする力(想像力)が脳内で補填されるのではないかと。
さらに言えば私は16:9でしか「シャイニング」を見たことがないので、そこにあるべきはずのサイドを見ようとしてそう感じるのかもしれません。

近頃は4K8KとかHDRとかVRとか高精細方向ばかりに心酔していたのですが、古くからあるアスペクト比の歴史に目を向けてみると色々と面白いことに気づきはじめました。
前述のGIGIZINEの記事にもあるようにあらゆる画角が映像の歴史の中で模索され進化してきたわけですが、それはフィルムの仕組みや投影のための技術、放送規格に制限された中での歩みであったとも言えます。
その後、映像がデジタル化されたことでフィルムの制約がなくなり、次にネット上で取り扱われはじめ”放送”にまつわる規格からも解き放たれた今、アスペクト比についても正にフリーダム。

現に、LINEやインスタLIVEに代表されるようなスマホでのライブ配信は、映像に長く携わってきたおじさんおばさんからすると考えられない縦型が主流です。

視聴する端末や放送(配信)方法や、コンテンツの内容に合わせて、自由な絵作りができれば、より最適で力をもった動画をつくることが出来ます。


「シャイニング」ひとつとっても、1枚目のジャック・ニコルソンのショットはワイドよりも正方形に近い比率の方が、その人にフォーカスできるのでしっくりきますが、2枚目のダニーが三輪車で廊下を走るシーンは、ワイドの方が絵としては美しい(怖いのは4:3の方が怖い)。
対談や討論形式の番組では、Blackmagicのスーパーソースのように何人かの人物を4:3や1:1で抜いてタイトルや背景画と組み合わせるのも面白い。
スマホの縦型ライブも、縦だからこそ生きてくる映像や絵作りがあります。

とはいっても、特に生放送で複数素材のアスペクト比や配置を自由に扱うのにはそれなりに高価な機材が必要です。
これを安価にできるものをJUNSでつくりたい!ジャック・ニコルソンのおかげか、さっき飲んだチョコラBBのせいか、久方ぶりにエンジンかかってきました!


sudo