JUNS Blog

JUNS株式会社の公式ブログです。主に開発・新製品や企業活動についてのあれこれ。

Core i7-860 Core i5-750 + ASUS P7P55D Deluxe で OC 検証 + i7-920との比較


今年の春にLynnfieldの発売予定を聞いた時は正直戸惑った
LGA1366はハイパフォーマンスでLGA1156はグラフィック機能付きのコストパフォーマンスと思っていたら
グラフィックの機能は間に合わず無しでスタートすることになったが
メモリが2chに省略されノースチップも不要になるなどトータルコストが安くなり
今後は完全にLynnfieldが主力になり売れること間違いないという雰囲気だった
しかしCPUの価格が変わらずメモリが1本減る程度でどれほどのユーザーメリットを作れるか
かなり懐疑的な気持ちで月曜にご対面となった

検証用にそろえたのはCore i7-860/i5-750 ASUS P7P55D/Deluxe

プライスリストを見たときCore i5-750とP7P55Dが安いところに花を感じた
メモリも合わせてベース4万円で4.2GHzのNehalemマシンの基本が作れれば面白い
750はHTは切られているがキャッシュはどちらも8Mだから実性能は860と変わらない

今は4スレッド使いこなすアプリも少ないのでHTで8スレッドになっても実効果は乏しい
それよりD0の920のクロック耐性が素晴らしかったから
より新しい860/750なら4.2GHz以上もあるかもしれない
10万円を切る4GHzマシンなんて実現できれば画期的かなとか
浮かれ気味で検証を始めることにした


相変わらず小さなリテールクーラー
Core2の頃から性能が良くなり音も静かになったので交換する必要もないかと思ったが
最近のはあまりにも小さすぎてノーマルクロックでも信用できない

CPUの留め金が更に進化している
クーラーは最近のLGA1366/775両用の物なら使えるようだ

ASUS P7P55D Deluxe

3Wayは対応しないがSLIブリッジが付属する、295x2ならQuadSLIも可能
J-MicroのSATAコントローラが2個搭載され合計10台ものSATAを使える(やめたほうが良いが)

eSATAは付属のUSBx2+eSATAブラケットを使用する

ASUS P7P55D

SLIには対応しないが295を使えば事は足りる
Deluxeとの差は今さらだがPCIが3本あること

IEEE1394PS2ポートをちゃんとつけているあたりが素晴らしい
このままでMicro-ATXが出ることを期待するというか出るだろう

さて肝心のクロック耐性を調べる

水冷ヘッドをはめて920の要領で4.2GHzにセットしていきなり起動してみると
あらら何の反応もない、いきなり乱暴でした
BIOSを最新にして4GHzでWindows7をインストールする

Lynnfieldはメモリに加えてPCI ExpressまでCPUにインターフェイスを持った
つまりノースチップの機能をすべて飲み込んだし
(実際マザーボードにノースチップは無い)
Turbo機能を強化したり複雑になったためか安全圏は4GHzの模様
Core i7-860

Core i5-750


HTの関係なのか860の方が750より重たい感じ
920がわけなく4.2GHzで動くのになれているので
ここはちょっとがっかりする
常用は3.8GHzという感じ
特別熱くなるからとかではなく
今回のステッピングの限界っぽい


920は4.2GHzで常用できるが
4.3GHz以上は無茶しないといかない

基本のSandaraで演算能力を測ると

    • 860 @ 4.0GHz

    • 750 @ 4.0GHz

    • 920 @ 4.2GHz


と860は4.2GHzの920さえ抜くほどの高性能
750はHTが無い分測定値では一歩追いつかない

しかし実際のアプリケーションで測定するとずいぶん変わってくる

    • 860 @ 4.0GHz

    • 750 @ 4.0GHz

    • 920 @ 4.2GHz

    • 860 ノーマル Turbo ON



LynnfieldではTurbo が強化され
SuperPIの様なシングルスレッドのアプリ実行時には
860でも3GHzを超えるクロックで高速動作するはずだが
PI 1Mでは14秒と クロックアップ版より4割も遅い

    • 何もしていないときは1.2GHz程度(ノーマルの860)

    • SuperPI実行時には2.9GHz程度にクロックをTurboする



Turboは920にもあったのでintelのマザーで散々試したが
省電力の意味での効果は大きいが
処理能力の面ではBIOSでのクロックアップに遠く及ばない

エンコードやレンダリング速度などCPUの実力を使いきるCINE BENCHはどうか

    • 860 @ 4.0GHz

    • 750 @ 4.0GHz

    • 920 @ 4.2GHz

    • 860 ノーマル Turbo ON



たぶんこのテストがNehaleを必要とする様な重い作業の処理能力を測るのに一番参考になる

    • 860 @ 4.0GHz 17189 CB
    • 750 @ 4.0GHz 15746 CB
    • 920 @ 4.2GHz 24303 CB
    • 860 ノーマル Turbo 13561 CB


920は64bitでテストしているので若干有利であるが
それにしても24303とノーマル860の13561の倍近くあることは注目に値する
4GHzの860と750は17189と15746と時計で測らなければ判らない程だ
しかし920にしてもノーマルでは860のノーマルとさほど変わらない
intelのCPU価格が同じということは
とてもラフに考えればノーマルで使えば性能はほぼ同じということだ

CPUメーカーというのは処理能力に値段をつけているのであって
当然それはメーカー推奨設定が前提だ
何度も書いたように同じシリーズのCPUは中身は同じで
メーカー推奨設定を変更しているだけである

もちろん無理なクロックアップは危険だが
今のように技術が成熟してしまった状況ではほとんどの場合
安いCPUはわざわざ能力を下げて出荷しているので
オーバークロック = イケナイ事
などと考えるのはいかがなものか
intel自身がオーバークロック大会を主催している現実まで見れば
本当に仕事を速く処理したいPCが必要なら
CPUの型番でなく常用のCPUクロックで判断する方が現実的だ

オーバクロックの基本・初歩的な話
http://d.hatena.ne.jp/SuperPC_JUNS/20081215

Vantage の スコアを見てみよう

    • 860 @ 4.0GHz

    • 750 @ 4.0GHz

    • 920 @ 4.2GHz



どのCPUも同じスコアを出している
4GHzを超えるCPUを使いきるGAMEが存在しないことの証明だ

なので
もし速いGAMEマシンが欲しいと思われている方なら
Core i5-750(4GHz)+P7P55D を組み合わせ安くてとても速いペースを作る
そしてできる限りをGPUに投資することが最も高い効果を得られる

    • とても良いコンビ!!


750(4GHz)+295ならWindows7エクスペリエンスもすべて7以上
CPUは7.5/メモリは7.7と素晴らしき速度です

もっと速いマシンが必要な人はやはりCore i7-920 @ 4.2GHz しかない


さらに速いマシンが必要ならCPUとGPUを水冷にしてしまえば
3DやCUDAまで速くできる!!

いつでもLynnfieldマシン出荷できます、今すぐ相談ください
http://www.juns.jp

ATOM330@2.1GHz+ION PC を発売しました
http://www.youtube.com/user/JunsTV