JUNS Blog

JUNS株式会社の公式ブログです。主に開発・新製品や企業活動についてのあれこれ。

最速エンコード カードを探せ!! CUDA vs SpursEngine (QuadroCX RapiHD badaboom GTX295 TMPGEnc FIRECODER PxVC1100 Core i7 MacPro)




年末より、うっかり風邪をひいてしまい
しかも想定外の自己回復力の遅さに齢を思い知らされ
沢山のお客様にご迷惑をおかけしております
私は当然ビルゲイツやジョブスのような身分ではないので
病気->あらゆる滞納->乞食->病気悪化->野垂れ死
この連鎖に落ちぬ様、抗生物質をボリボリ頬張りながら
今度こそ今日辺りから復活のカーブに本当に入り始めました

GTX295 こんな重いビデオカードは初めてです
手のひらに置くと鉄の塊のよう、そして熱い・うるさい

しかし基盤はGTX260-55nmとは変わりいつもの黒色に戻り
カバーはプラズマテレビの背面のようなメッシュの入った通風金属
GTX260/285よりはるかにコストがかかっていることが肌でわかります

この中にフルスペックのG200Bが2個入っているわけですから
スペースの無い環境でのビデオカードアップグレードには
最適かもしれません



JUNS PRO-Studio64 は 超過密状態ですが、Core i7-3.6GHzにて極めて安定状態



VantageスコアもP22186なのでゲームも軽々とこなすことが出来るでしょう

しかし注意!!
Adobe CS4 をはじめ、殆どのGPGPU機能を使用したアプリはSLIをサポートしていません
PhotoShopCS4等はGPUが無いことになりますし、badaboom等は立ち上がりもしません
せっかくのデュアルGPUですがクリエイティブワークではSLIはオフにする必要があります
むしろ3モニターサポートを活かして正面+左右の操縦室の様な作業環境を作る方が価値がありそうです

ちなみにSANDRAでのテストも何故かSLIよりシングルの方が性能が上がります


■↑↑■ CPU Core i7 3.6GHz


■↑↑■ GTX295-nonSLI 片側のみ使用

倍精度浮動小数点は
3.6GHz i-7  77MPixel/s に対して GTX295 6.97GPixel/s
何と90倍の速度です、これは期待できそうではないですか!!

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今回はGPGPUに対して最も期待されているといって云い
エンコードの最も速い環境を探します

http://jp.youtube.com/watch?v=zlfKdbWwruY&feature=hd
もうごらんになった方も多いと思いますが
ハイビジョンに対応したYouTubeのこの映像を観て
感動すると同時にハイビジョンの力と可能性を強く思いました

ネットでHDを流すには高圧縮のコーディックが不可欠で
今はH.264やFLVなわけで
また大量の映像を管理・活用するためにも
限られた帯域でより精細な画像を送るためにも
H.264程度は軽々と扱える環境が必要なわけです

最初MP3がでたときにもアルバム一枚落とすのに凄い時間がかかりましたが
直ぐに数分でCD一枚がMP3化できるようになり、さらにネットで楽曲も購入できるようになり
音楽の位置は大きく大きく変わり、アーティストや楽曲の幅もさらに変化してゆくでしょう

そして今度は映像の番です

音楽は60年代フォーク以前にも非常に私的な物でした
誰もが個人的な鼻歌の一つぐらいは持っていて
優しい夕暮れ時やひとりぼっちの夜にも
その歌だけはいつもそばにいてくれたりしたわけです
たまにはその歌が大ヒットしたことがあったかもしれません

しかし映像は難しい
カメラ付き携帯電話がでて
写真は変わるのかなと思ったけれど
365日24時間誰もがカメラを持つ時代を迎えたけれど
一枚の写真が紅白で歌われた曲のように
日本中の誰もが知っている様な状況をまだ見たことがない

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まぁ、この辺は時間をかけて考えることとして
「携帯写真家」
http://mixi.jp/view_community.pl?id=292877

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最新のGPGPU環境を純粋に使用しているエンコーダーはbadaboomです
http://www.badaboomit.com/



Ver1.1になり1920x1080の画像も扱えるようになりました
完全にCUDAでVGAの中で処理されるので
エンコード中は殆どCPUは使わず
それでいて大変高速です



多くのプロファイルに対応しており
さらに発展して行きそうです

NVIDIAが強力なバックアップをしているのか
もしかしたらNVIDIAそのものなのかもしれません
CUDAのSDKとして配布されるエンコーダもおそらくこのエンジンが使われるのでしょう

速度は10分のHDVファイルをソースとして(以下全てのエンコードは同じソースを使用しています)
1パスの最高画質設定にてH.264エンコードした場合

■badaboom on QuadroCX

  • 1920x1080 25M 16:21
  • 720x480 5M 3:48

■badaboom on GTX295

  • 1920x1080 25M 13:44
  • 720x480 5M 3:11


でした


■↑↑■ CANOPUS FIRECODER


■↑↑■ CANOPUS FIRECODER エンコード画面

CANOPUS の FIRECODER は LEADTEK の PxVC1100 とおなじ
東芝のSuprsEngineを搭載しています

しかしFIRECODERとPxVC1100はソフトに大きな違いがあり
出来る事は結果的にさほど変わらないのですが
完成度ではFIRECODERがかなり上です

SuprsEngineもエンコードにCPUは殆ど使いません
速度は
■FireCoder

  • 1920x1080 25M 6:27


今回最速を記録しました



■↑↑■ LEADTEK PxVC1100


■↑↑■ LEADTEK PxVC1100 エンコード画面

■PxVC1100

  • 1920x1080 15M 7:57


PxVC1100も2位と大変高速です



■↑↑■ QuadroCX


■↑↑■ QuadroCX+PremireCS4+RapiHD エンコード画面


次にCUDAの本命、QuadroCX+RapiHD の組み合わせですが
やはりCUDAですからエンコード中もCPUは殆ど使いません

しかし目的がプロフェッショナル用途というところで何かが違うのか
■QuadroCX+PremireCS4+RapiHD

  • 1920x1080 25M 20:51
  • 720x480 10M 4:05

とHDに関してはそれほど速くはありません
RapiHDとbadboomは同じところで作られているようなので
たぶん今回の使い方、つまりアマチュアぽいやり方では
効果がわかりにくいと云うことかもしれません
しかし720x480はとても高速です

その他のエンコードデータを記載すると


■↑↑■ TMPGEnc エンコード画面

  • 1920x1080   9M 15:39



■↑↑■ MacPro 2.8GHz QuadCoreXEON x 2 エンコード画面(PremireCS4)

  • 1920x1080 25M 27:21
  • 720x480 8M 8:02

■----■ JUNSPro 3.6GHz Core i7 CPU のみでのエンコード(PremireCS4)

  • 1920x1080 25M 22:44
  • 720x480 8M 5:56
                                                                                                                                          • -

以上が今回計測した全ての結果です
badboomは何故か9800GTでHDVのファイルをエンコードしてくれませんでした
しかしGPGPUを目的として使用するのであれば
最低GTX260から考えることが妥当かもしれません
今回計測していませんがGTX295/285/260の間に
エンコード時間の差はわずかだと推測します

エンコードは速ければ良いという物では無く
本来は同じ画質を得るのに何分かかるかを競う方が目的に合っている気がします
画質を落とせば速度はたやすく上がるのかもしれません

しかし今回1パスとは云え最高画質を設定しエンコードした画像は
大変綺麗な物だといって良いかと思います

本当はもっとおもちゃのような画面を想像していたのです

しかし最新のblu-rayレコーダーなどの高画質技術には
本当にしびれるような物があります

ウォン安もありHDパネルがPCでも当たり前になり
家庭用には4Kのパネルを使いHDを高解像して映し出すテレビまで発売されるようで
子供の頃少年マガジンの巻頭に描かれていた未来が今に置き換わりつつあります
「壁掛けテレビ」この言葉を初めて聞いたのは
昭和も40年代、僕は小学生になったばかりの頃です

そんな時期から主力を海外勢に奪われた今でも
最も積極的に液晶パネルやCPU・フラッシュメモリの国内生産に投資してきた
松下・東芝・シャープ・エルピーダが金融不況により計画を見直さざるを得なくなったのは残念でなりません

技術は工場(生産)とともに発展してゆくものと思います
半導体を筆頭に日本の製造機械が世界一であることと
それが日本で作られていることは無縁ではないでしょう

ほんの少し前までNECintelよりはるかに大きな世界一の半導体企業だったなんて
いまでは冗談にもならないような、砂漠の砂のような記憶になりました

しかしメランコリックになってはいられません
明日には、予定の32GByteメモリーマザーボードが到着
8chのRAIDと組み合わせ究極のPhotoShopCS4マシンにかかります

そして今日夕方、世界No1のDAWソフトCubaseのメジャーアップデートの件で電話があり
ついにCubase5のテストを来週より始まるため最適化したPCを2台作る事になりました
64bitに本気で対応してくるようで、これはCS4クラスのインパクトがあります

さてさて老体は何処まで
時代を走ることが出来るのでしょうか

久しぶりでとても長くなってしまいました
すみません

山中潤

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GTX295 + badaboom 追記 マルチエンコード

badaboom は リエントラントというか同時に複数立ち上げられるようで
しかも GTX295 が マルチGPU で 3つ GPU名が出てくるので
3本同時エンコードを行ってみました




多少不思議な動きもありましたが
ちゃんと動作し
GTX295のマルチGPU機能を活かすことができるようです

iTouchに大量のPVや映画をエンコードしたりするには
強力な武器になるかもしれません・・・

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エンコードのソースはオーラルバンパイア
エキゾチカ姫とレイプマンさんのライブを収録したものです

http://auralvampire.com/index.html